ランチェスターNO.1戦略③-3「No.1」企業について緑茶市場で考えてみる。

2013.6.19|ランチェスター戦略 NO.1の戦略とは

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<No.1であるということ/“どこ”でNo.1なのか?>

初めにお伝えしたように、緑茶市場の市場シェア第一位は伊藤園です。

伊藤園の2012年4月時点での年間売上高は約3692億円です。

営業利益は約189億円、経常利益は約179億円、純利益は約92億円でした。

主要業務での利益も上がっており、純利益ベースでも黒字ですので、

十分に安定した良好な経営がなされているといえます。

 

ランチェスター戦略が示すように、

やはりNo.1商品をもっている企業は業績がすぐれ、

経営もうまくいっているということです。

大企業は中小企業と事情が違うでしょ・・・というご意見もあるでしょう。

たしかに経営資源、仕事のやり方、営業のやり方、広告の出し方、

何もかも違うようにみえます。

しかし、上に挙げた伊藤園やサントリーの戦略で

中小企業に取って参考になる部分があることを拾っていただければと思います。

今から少しややこしい話をします。

 

伊藤園は確かに緑茶飲料市場でシェアNo.1の強者です。

中小企業は弱者だから参考にするとしたら

この場合サントリーかな…と思った方、正しいです。

他のブランド商品とくっきりと魅力的な

差別化をはかった弱者の成功例として参考にしていただければと思います。

しかし、それだけではなく市場参入をした際の伊藤園のアイデア・姿勢の慧眼さも

忘れないでいただきたいと思います。

“強者”だから関係ないのでは?と思った方、その考え方も正しいです。

現在、緑茶飲料市場では確かに伊藤園は強者なのですから。

しかし、20余年前、緑茶飲料市場というものが全くなかった時点では、

伊藤園の缶でお茶を売る、ペットボトルでお茶を売るというビジネスは

「弱者」のビジネスでした。

 

さらに、見方によっては実は伊藤園というのは“弱者”でもあります。

コーヒー・紅茶・ジュースなどの清涼飲料市場全体では伊藤園の

市場シェアは第3位なのです。これはランチェスター戦略では弱者のポジションです。

実際、清涼飲料水市場の市場シェア国内第1位はサントリーであり、

2012年の売上は飲料や健康飲料だけでも

9844億円であり、連結全体での売り上げは18,516億円、経常利益は1031億円です。

清涼飲料水市場全体では弱者の伊藤園は、

緑茶飲料市場という自社の得意とする「日本茶」にこだわった

ビジネスアプローチ、弱者の戦略を徹底して行い、この市場でNo.1を確保し続けている。

このこと自体が弱者の戦略でもあるのです。

 

<海外市場で弱者として挑戦する・伊藤園のチャレンジ>

知名度や実績がない新規市場に参入するのは、“弱者”です。

伊藤園はそのチャレンジをアメリカで行っています。

西欧諸国では緑茶は砂糖を入れて飲むことが普通でした。

しかし近年の健康志向の高まりを追い風に無糖緑茶への関心も高まっているとされます。

ただし、北米の緑茶飲料市場約4000億円ほどのうち、

現在無糖緑茶のシェアは約5%にとどまっています。

 

伊藤園は無糖の緑茶市場を米国で拡大しつつ、

かつ現地の人々の嗜好にあった緑茶飲料の開発にも意欲的で、

将来的に全社売上の1割を海外であげたいという目標があるそうです。

あらたな市場を求めて“弱者”として打って出る伊藤園の挑戦は興味深いです。

日本茶・緑茶飲料という自社の得意とする分野、ノウハウが蓄積されている分野を

生かして成長していこうとする企業の意思の表れであると感じます。

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