『必ずナンバーワンを実現する!ランチェスター戦略の教科書』書籍レビュー

2013.10.24|ランチェスター戦略の書籍紹介

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必ずナンバーワンを実現する!ランチェスター戦略の教科書 矢野新一著 日本実業出版社

 

○ タイトルにふさわしい、まさしく「ランチェスター戦略」の教科書!
ランチェスター戦略が網羅された、まさしく教科書のような書籍のひとつです。
初めてランチェスター戦略を学んでみようとする方にもおすすめですし、ある程度ランチェスター戦略をご存知の方にも新しい切り口を提案されているので、面白く読めるのではないかと思います。
第1部 ナンバーワン戦略
第1章 すべてにおいて優位になれるナンバーワン主義
第2章 「弱者・弱点優先攻撃」の進め方
第3章 地元・地盤強化の原則
第4章 「ナンバーワンテイク」でトップ企業になる
第5章 「ロストゼロ」でランチェスター戦略の弱みを克服する

第2部 弱者の戦略
第6章 弱者・強者ともに活用できる「差別化戦略」
第7章 市場の細分化と力の集中を実現する「重点化」
第8章 身の丈に合った戦いに持ち込む「局地戦」
第9章 相手が1社の時に効果が高い「一騎打ち」
第10章 強者の強みを打ち消せる「接近戦、陽動作戦」

第3部 一つ上のランチェスター戦略の活用法
第11章 営業担当者の攻撃力を格段に高めるテクニック
第12章 “強者”の戦略
○ ランチェスター戦略を深く実践するということ
本書の矢野氏もランチェスター戦略を使ったコンサルタントとして豊富な経験と知識をお持ちの方です。
田岡氏が営業戦略、販売戦略に展開したランチェスター戦略は、より広くビジネスの現場で活用することができるマーケティング戦略であると著者は結論づけられています。
ランチェスター戦略が日本でビジネスの現場で「勝つための法則」「利益を上げるための戦略」として花開いてから40年以上がたちました。
政治や経済といった時代の変化、日本経済の成熟、かつては誰も想像しなかったであろうパソコンやタブレット端末、携帯の普及やSNS、Twitter、Facebookといったメディアの隆盛など、40年前と現在では数えきれない変化があることは確かです。
それでも、ランチェスター戦略がコンサルタントやビジネスにかかわる人々の間で単なる机上の理論と片付けられないのは、やはり成功するためのエッセンスがランチェスター戦略のなかにつまっているからではないでしょうか。
矢野氏は、ご自身の経験をベースにランチェスター戦略を現場での深く展開した結果得られた独自の「勝つためのルール」を「ナンバーワンテイク」や「ロストゼロ」と名付けて紹介しています。
このあたりは、他のランチェスター戦略の基本書をすでにお読みの方も、新しい視点として参考になるものと思います。
○ 「ナンバーワンテイク」とは?
矢野氏が提案するこれらの戦略は、他のマーケティング理論を当てはめたり展開させたりしたものというよりは、より深く、徹底してランチェスター戦略を実践したらこういう成功のための原則が見えてきた…という経緯が見えるもので、とても興味深いものです。
例えば、「ナンバーワンテイク」とは、1)ナンバーワン顧客づくり2)最大口顧客攻略を実現させるための理論です。
1)ナンバーワン顧客作りとは、顧客内シェアで1位をとり、かつ2位を3倍以上引き離している顧客のことだと定義されます。
つまり、自社がライバル社よりも顧客に納品している商品が圧倒的に多い顧客のことです。
このナンバーワン顧客が増えれば、マーケットでのシェアも当然増えます。
かつ、このナンバーワン顧客はあなたの会社の商品が他社よりも優位である、ということを客観的に認めてくれたということです。
これは他社との差別化がしっかりなされており、かつその差別化が顧客に受け入れられたという結果を示してくれています。
こういった顧客を増やしていくことが、ランチェスター戦略を実践するうえで至上命題となっているマーケットシェアの拡大、NO1商品を作るとうことにつながっていく戦略であることは明白です。
2)最大口顧客攻略は、全国でナンバーワンを目指すための足掛かりとして実現させるべき戦略とされます。
全国規模のマーケットでナンバーワンを目指す場合、エリアごとの最大口顧客に自社商品を選んでもらえればマーケットシェアの拡大に直接的につながることはいうまでもありません。
加えて、最大口顧客を各地域ごとで攻略成功できれば、地域ごとにシナジー効果(相乗効果)が期待でき、大きな好影響の波及が期待できるのです。
これもランチェスター戦略の実践編、具体的な指南として多くの企業が参考にできるのではないかと思います。
○ 「ロストゼロ」とは?
これは守りのランチェスター戦略、といえるかもしれません。
ロスト顧客とは、自社から他社に流れてしまった顧客のことを指します。
このようなロスト顧客をなるべく低くし、獲得した顧客をしっかり自社の顧客としてつなぎとめるための戦略が必要だと矢野氏は言います。
ランチェスター戦略においてマーケットシェアの拡大は、市場で他社に勝利し、十分な利益確保を行うために目指すべきものです。
ただ、これが一時のシェアUPに過ぎないのでは、利益をあげるという企業の目的は果たせません。
自社の顧客をしっかりキープすることはマーケットシェアの安定した維持、成長につなげることができます。
攻めるだけではなく、守りながら市場シェアUPのために戦略を展開する必要があるというのは、ランチェスター戦略実践の上で新しい視点なのではないかと思います。
○ “強者”のランチェスター戦略の必要性
第3部の内容はもうひとつの本書の特徴になっているかと思います。
ここでは「“強者”の戦略」も扱われてます。
ランチェスター戦略を扱った書籍の中で称されることも多い論点です。
参考になることは確かですが、必要になった時にあらためてじっくり読むという風に後回しにしても大丈夫だと思います。
ただ同じく第3部の営業担当者への指導アイディアはかなり具体的なので、すでに自社で行っているものと合わせて検討してみてください。

 

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